個人向けの縫製工場の探し方

「新しいブランドを立ち上げようと思っている。」「これから個人で活動を始めようと思っている。」

このように個人でアパレル業界の仕事をスタートさせようとしている人は多くいらっしゃいますが、その中には

「どこの縫製工場を選んだら良いのか分からない」「初心者で個人の自分を受け入れてくれる工場はあるの?」

といった不安を抱えている人は少なくないでしょう。

そこで今回の記事では、個人向けの縫製工場の探し方、選び方について解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

個人での縫製工場の探し方

作りたいアイテムで探す

縫製工場とひと言で言っても、工場によって得意な縫製、不得意な縫製、使用しているミシンの種類によって縫うことが出来るアイテム、出来ないアイテム、取扱い可能な生地、NGな生地等々・・・まちまちです。

そのため、まずは自分が作ろう・作りたいと思っているアイテムは何なのか(コート、パンツ、スーツ、カットソー、子ども服等)というところから縫製工場を探していきましょう。

縫製工場のこれまで制作した実績を見てどんなものを生産しているのか、得意としているのかを調べて判断します。

中にはすべての縫製が可能、という工場が見つかることもあります。

最低ロット数で探す

ほとんどの縫製工場には最低ロットが決められています。

しかし個人で活動する場合、量産せず少ない枚数で生産したいというケースが多いかと思います。

そこで縫製工場を探す時はそれぞれの最低ロット数を確認し、小ロットでの生産が可能な縫製工場を探してみましょう。

中には小ロット生産を売りにしている工場もありますので要チェックです。

初心者歓迎から探す

初心者で個人の方が縫製工場を選ぶとなると、縫製やブランド、生産管理等の知識が必要となる場面にたくさんぶつかるでしょう。

一般的な縫製工場というのはプロや法人向けの工場が多いため、初心者向けのサポートは行っておらず断られてしまうというケースも少なくありません。

しかし、上記で紹介した小ロット生産を受け入れている工場などは個人の方や初心者を歓迎している可能性が高いです。

まずは経験を積むためにも、数は少ないですが初心者でも丁寧に対応してくれる縫製工場を探すことをおすすめします。

個人・初心者でも受け入れてくれる縫製工場の特徴

勇気を出して縫製工場に直接問合せや電話をしたのに、冷たく断られてしまうと落ち込んでしまいますよね。

個人や初心者でも受け入れてくれる縫製工場にはいくつかの特徴が見られます。

こだわりや強い希望により依頼したい縫製工場を心に決めている、という場合以外であれば以下の特徴を持つ工場に問合せをしてみてはいかがでしょうか。

1.サンプル、小ロットの生産が可能

2.受注生産が可能

3.個人の製作実績あり

4.ブランドの立ち上げ実績あり

5.「個人・初心者歓迎」とホームページやSNSに記載あり

以上のような特徴のある工場をいくつかピックアップし、その中から自分の理想を商品として形にすることが出来るかどうか問合せ、質問をしていきましょう。

個人で縫製工場を見つけることが難しい方におすすめのサービス

個人で縫製工場を探している方は以上を踏まえて工場を探していくことになりますが、自分で探してみてもなかなか条件に合った向上が見つからない、とお困りのお客様もたくさんいらっしゃるかと思います。

そんな方には、縫製屋ドットネットのマッチングサービスの利用を強くおすすめします。

縫製屋ドットネットは、個人でファッションの起業を考えている方や、ブランドの立ち上げに関する知識や情報が少ない方を支援するためのサービスを提供しています。

初心者や個人の方でも受け入れOKで実績の豊富な会社が多数参加していますので、お客様の希望に合った縫製工場を紹介することが可能です。

企画やデザイン、生地がある程度決まっていれば、標準体型のデータからパタンナーがパターンを作成してくれるので安心です。

ぜひ高い品質を誇る日本の縫製技術、職人の技であなたの夢を実現するお手伝いをさせてください。

ご相談は無料です。気になる料金も含め、お気軽にお問合せいただければ幸いです。

日本の縫製工場の魅力とは?

日本の縫製工場の現状

今、日本の縫製工場は縮小や廃業、倒産に追い込まれている工場が多く、今後ますます増加すると見られています。

特に50人以上の大規模な縫製工場というのは、国内にはほとんど残っていない状況です。

その原因としてコロナウイルスの流行を境に世の中の価値観や経済状況が大きく変化し、人々がお金を使わなくなったことも影響しています。

海外の安い縫製工場を製造の拠点としたファストファッションが流行し、安くてもある程度品質の良い洋服が買えるようになったこと。フリマアプリが消費者にとって身近になり、店舗で新品を商品を購入する人が減ったこと等、洋服やファッションアイテムに対し低コストを求めるようになりました。

そのため日本の縫製工場への受注は減少し、当然工場の賃金も下がります。

低賃金であるため若い人が集まらず、従業員が高齢化。そして日本人の新しい人材が確保できないため外国人の技能実習生に頼っている状態となる等、維持していくことが難しくなっているのです。

日本の縫製工場5つの魅力

ただ一方で、多くの低コストを求める人たちとは逆に、より高級志向を高めている人たちもいます。

「量より質に重きを置き、流行に左右されず長く使える物を。」

そこで次に、日本の縫製工場の魅力を紹介してまいります。

縫製技術の高さ

日本の縫製工場の魅力といえば、やはり世界でも群を抜いてレベルの高い縫製技術でしょう。

高齢化したとはいえ、日本の縫製工場にはまだまだ高い技術を持った縫製士の方がたくさんいらっしゃいます。

縫製工場は機械化が進みましたが、品質の高い製品は職人による手仕事での仕上げや調整を行っているため、その細かく丁寧な質の高さが世界でも評価されているのです。

また、数は少なくとも業界に入った若者にその技術を継承し、更に若者ならではの発想で新しい時代に沿ったものづくり、環境づくりといったものに取り組んでおり、より高品質な製品を生産することを可能としています。

きめ細やかな対応

まず、日本の縫製工場ですから当然日本語でコミュニケーションをすることが可能です。

海外の縫製工場に依頼をしたことがある方にとって、これがどれだけ重要なことか痛感されているのではないでしょうか。

細かな指示や変更、要望等も正確に情報を伝えることが出来ることは、良い製品を完成させることにつながります。

製造を進める中で、デザインやカラー、サイズ、プリント、パーツ、生地など様々な変更点が出てくることがありますが、コミュニケーションが上手く取れないとその度に進行がストップし、各方面に負荷がかかってしまいますよね。

他にも、日本の縫製工場では小ロットの生産に対応できる設備や技術を持っている工場が多く、必要に応じてカスタマイズ出来る点も大きなメリットと言えます。

納期の早さ

日本の縫製工場に依頼すると、海外の縫製工場と比べて短い納期で納品することが可能となります。

海外に発注をした場合、縫製が早く完了しても日本までの輸送にどうしても時間がかかってしまいますし、もし納品された製品に不具合や問題が見つかった際、更に時間がかかることになりますしクレームに発展する恐れもあるでしょう。

質の高い製品を早く納品することで、結果的に海外よりも全体のコストが抑えられることもあるのです。

知的財産の保護

日本では特許法、商標法、意匠法など知的財産権に関する法律が整備されています。

そして日本で生産された商品はこれらの法律が適用されます。

自分のブランド、会社のブランドの価値や信頼性、デザイン、技術などを守りたければ、これらの法律を容易に活用できる日本での製造がやはりおすすめです。

地域への貢献

日本の縫製工場は都心部よりも地方に多く存在しています。

地方では仕事が少なく若い人が都心へ流出してしまうといったことが起こっているため、縫製工場が元気になれば新たな雇用を生み出し、地域の活性化にもつながる可能性があります。

まとめ

以上のように、日本の縫製工場を取り巻く現状は厳しい状況ではあるものの、世界に誇る日本の高い技術を求める人たちもいます。

また、自分のブランドを作りたいと服作りに夢を抱く若者もたくさんいます。

そんな縫製工場とアパレル業界を目指す人、会社をつなぐため、縫製屋ドットネットはマッチングサービスを提供しています。

日本から素晴らしい製品を作り出すため、一緒に挑戦しませんか?

相談、問合せは無料です。お気軽にご連絡をお待ちしております。

縫製工場のマッチングサービスのメリット・デメリットは?個人や初心者でも利用できるの?

「多くの縫製工場の中からどの会社を選べば良いのか分からない。」「そもそもどのように依頼をすれば良いの?」「アパレルが初めてで不安。」

アパレルブランドの立ち上げを検討している人や自分がデザインした服を縫ってくれる工場を探している方の中には、縫製工場選びに迷われている方も多いかと思います。

そこでおすすめなのが、縫製工場のマッチングサービスの利用です。

今回の記事では、縫製工場のマッチングのメリット・デメリット、日本のアパレル産業の現状などを中心に解説してまいります。

どうぞ最後までご覧ください。

縫製工場のマッチングサービスを利用するメリットは?

近年、縫製工場とアパレルメーカーをマッチングするサービスが増えています。

自分たちの生産設備を持たないアパレルメーカーと、営業力のない縫製工場に向け、所謂「仲介」を行って双方をつなぐ役割があるわけですが、縫製工場とのマッチングサービスを利用することでどのようなメリットがあるのでしょうか?

アパレル企業と縫製工場、それぞれの視点から見たメリットを以下に紹介していきましょう。

アパレル企業のメリット

縫製工場を探しているアパレル企業にとってまず大きなメリットは、細かな条件に合う工場を自分たちの手や足で探し出し選ぶという手間や時間をかけなくても良いという点でしょう。

また、条件に合った工場を見つけても、自分たちの考えたアイディアを理想の形にするためには縫製工場と信頼関係を作り、しっかりコミュニケーションをとっていかなければなりませんが、特にアパレルの初心者で実績がない場合はどのように依頼し進めていけば良いのか分からず、受け入れてもらえないケースもあります。

そこでマッチングサービスを利用すれば、そのような不安を持たずに依頼をすることが可能です。

更にはお願いする縫製工場が決まって製造が進む中で、進捗やスケジュールに関して工場に直接確認しなくても、マッチングサービス会社に間に入ってもらって情報共有することができる場合があるので、直接のやりとりよりもスムーズに進められるケースも少なくありません。

縫製工場のメリット

縫製工場にとってのメリットとしてまずあげられるのは、職人ばかりで営業を担当できる者がいない、そもそも営業活動が苦手、等といったよくあるケースでも新規の仕事をとることが可能である点。

そしてマッチングサービスに登録することで同じブランドばかりでなくさまざまな商品の生産に携われるチャンスがあるため、技術を磨き仕事の幅を広げられるといったメリットもあります。

縫製工場のマッチングサービスを利用するデメリットは?

それでは次に、縫製工場とアパレル企業を結びつけるマッチングサービスを利用することで考えられるデメリットについてもしっかり紹介していきたいと思います。

メリットとデメリットの両方を意識した上で上手く活用していただければと思います。

仲介手数料が発生する

縫製工場とのマッチングを提供している会社の多くは、利用にあたり仲介手数料を支払う必要が出てきます。縫製工場、アパレル企業、それぞれが規定で決められた料金を支払わなくてはなりません。

自分たちで探す労力や時間と比較して検討することをおすすめしますが、特にアパレル企業側としては多少お金をかけてでも希望にマッチした工場をいち早く見つけ、効率良く商品化を行いビジネスを進めていくためには必要な経費であると考えているようです。

継続受注、専属契約の保証がない

縫製工場としては、条件に合うアパレル企業がないとなかなか仕事を受注できないという点もデメリットとして挙げられます。

その場合はマッチングサービスに登録しつつ、他の集客の手法も並行して行わなければならないでしょう。

他には、継続して発注および生産できるかどうかが分からないという点です。

マッチングサービスでは専属での契約や長期間の継続を保証できるわけではないので、希望がある場合にはマッチングサービス会社へしっかり相談しましょう。

日本のアパレル産業の現状と課題

今やアパレルの縫製の発注は中国など海外にある縫製工場へと流れています。

また、アパレル産業は店頭で販売されるまでの間に多くの業者が入り中抜きされるシステムとなっているため、縫製工場が得られる単価は非常に安い現状にあります。

2023年には円安の影響で海外で生産するメリットは低くなっているものの、そもそも海外の低価格を売りにしたブランドが台頭し、日本のインフルエンサーや動画クリエイターたちが海外メーカーの洋服やファッションアイテムをこぞって紹介している状況です。

日本の縫製工場が生き残るためには、このような世界を相手に簡単ではないさまざまな問題に対処しなければならないのです。

縫製屋ドットネットはアパレル初心者の方でも丁寧にサポートします!

そんな中、縫製屋ドットネットは日本が誇る丁寧な縫製による高品質なものづくりを守るため、国内に工場を持っている縫製工場が集まり、さまざまな素材や生地、サンプルの縫製、小ロットでの製造に対応しています。

オリジナルのブランドを立ち上げたいという方、縫製工場に依頼するために何をすれば良いのか分からないと不安を抱えている方のサポートも行います。

細かな情報はわからなくても、デザインとおおまかな発注数さえ決まっていれば、型紙の作成やデザイン画から洋服を作ることができる工場がございます。必要な提案を適宜させてただきながら丁寧に支援しますのでご安心ください。

もちろん法人だけでなく個人の方も歓迎しています。

相談、お問合せは無料です。ぜひお気軽にご連絡くださいませ。

【アパレルとSDGs】業界が抱える問題と取り組み事例

現在、日本を含む世界中でSDGsに基づいた行動が推奨されています。その中でもアパレル業界は、数年前から現在に至るまで多くの問題が取りざたされており、SDGsへの取り組みがますます注目を集めています。

そこで今回の記事では、SDGsの概要からアパレル業界が抱える問題点、そして業界が取り組むべきSDGsに向けた目標について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

SDGsとは何か

今や多くの人々に浸透しつつあるSDGsですが、その基本的な概要を紹介します。SDGsは「持続可能な開発目標」を意味し、2001年に制定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標として、2015年に国連サミットで採択されました。

SDGsは、17のゴールと169のターゲットから構成され、「地球上の誰一人取り残さない」という誓いのもと、発展途上国だけでなく先進国も含め、全ての国々が取り組むものです。

<SDGsの17の目標>

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.全ての人に健康と福祉を

4.質の良い教育をみんなに

5.ジェンダーの平等を実現しよう

6.安全な水とトイレを世界中に

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

10.人や国の不平等をなくそう

11.住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

16.平和と公平をすべてのひとに

17.パートナーシップで目標を達成しよう

アパレル業界が抱える問題

アパレル業界、特に「ファストファッション」と呼ばれる業態は、SDGsで掲げられているいくつかの目標に対して深刻な問題を抱えています。ファストファッションは、日本だけでなく世界中で高い人気を誇り、多くのブランドが世界に展開しています。代表的なブランドは以下の通りです。

 

<ファストファッションブランド一覧>

ユニクロ(日本)

GU(日本)

しまむら(日本)

無印良品(日本)

H&M(スウェーデン)

ZARA(スペイン)

GAP(アメリカ)

SHEIN(中国)

これらのブランドは誰もが知っており、非常に身近で、多くの人が一着は持っているブランドでしょう。特に最近、YouTubeなどのSNSで注目を集めているSHEINは売上が急増し、2022年にはトップクラスのブランドに成長しました。

しかし、ファストファッションには大きく分けて2つの問題、すなわち「環境問題」と「労働問題」が存在します。

 

環境問題

服 廃棄

アパレル業界は繊維産業であり、その多くがポリエステルやレーヨンといった合成繊維、つまりプラスチックを原料としています。私たちが普段着ている衣料品のほとんどは、石油を基にして作られています。ペットボトルのリサイクルや、レジ袋の有料化、プラスチック製ストローの廃止などからもわかるように、プラスチックは海洋汚染や地球温暖化に大きな影響を与えており、さまざまな業界でその削減が進められています。

一見、プラスチック製品には見えない洋服も、製造や染色の過程で有害な化学物質が放出されたり、家庭で洗濯するだけでマイクロファイバーやマイクロプラスチックが海に流出しています。また、合成繊維の製造工程では、大量の化学薬品や農薬、有害物質が使用されており、これが大気汚染の原因にもなっています。アパレル業界から排出される温室効果ガスの量は、年間12億トンのCO2に相当します。

さらに、ファストファッションは安価なため、消費者は簡単に購入し、簡単に手放してしまう傾向があります。断捨離ブームの影響もあり、環境省の調査によれば、日本では一年間に一人当たり約12枚の衣服が捨てられているという結果が出ています。捨てられた衣服のほとんどは焼却されるか埋め立てられ、その量は年間で約48万トンに達します。アメリカでは、年間1150万トンが廃棄されています。

このような環境問題は、合成繊維だけでなく、天然繊維でも発生します。たとえば、綿花(コットン)の生育には大量の水と殺虫剤が必要であり、羊毛を取るための放牧も土壌や水質の汚染につながり、生物の多様性に悪影響を及ぼします。天然繊維だから環境に優しいとは限らないのです。

「簡単に買って、簡単に捨てる」という消費行動が、私たちの地球環境に悪影響を与えていることを理解する必要があります。

 

労働問題

ファストファッションをお持ちの方は、商品のタグを確認してみてください。ほとんどがアジアで製造されていることに気付くでしょう。特にバングラデシュで製造された商品が多いことがわかると思います。アジアでの製造が多い理由は、低コストで大量生産が可能だからです。

しかし、アパレル製造に従事するアジアの労働者の多くは、低賃金で働いています。中には最低賃金すら支払われず、残業代も支給されないケースも少なくありません。そのうえ、長時間労働を強いられ、児童労働や強制労働といった人権侵害も深刻な問題となっています。さらに、労働者が働く工場の安全性や衛生環境も劣悪なことが多く、事故が発生して労働災害や健康被害を受けることもあります。

発展途上国の労働者を搾取するような労働条件は、早急に改善・対処されるべきです。しかし、このような問題が報じられているにもかかわらず、ファストファッションの売上は年々増加しています。

 

アパレル業界のSDGsに対する取り組み

アパレル業界は、これまでに挙げた問題に対応するため、SDGsに基づいた取り組みを進めるブランドが増えてきています。この取り組みは、「リデュース(削減)」「リユース(再利用)」「リサイクル(再資源化)」の頭文字を取った「3Rとして知られています。以下、それぞれの取り組みについて事例とともに紹介します。

 

リデュース:削減

リデュースは、無駄な資源の消費や排出されるごみを減らす取り組みです。アパレル業界においては、服を購入する際に、似たようなアイテムをすでに持っていないか確認すること、流行に左右されず、長期間にわたって着用できるものを選ぶこと、正しい手入れ方法を知って大切に着ること、そして労働環境の改善を行うことで、環境への負担を減らしていきます。

 

リユース:再利用

リユースは、まだ使用できるのに廃棄される服を再利用する取り組みです。リサイクルショップや古着屋、フリマアプリを活用することで、服を捨てるのではなく再利用することを推進しています。また、企業も消費者と同様に、廃棄される予定だった在庫品を必要とする人に提供し、再循環させる取り組みを進めています。

 

リサイクル:再資源化

リサイクルは、不要となった服を生地として再利用し、別の製品に作り替える取り組みです。アパレル業界では、不要な衣料を他のデザインの服やバッグ、タオルなどにリサイクルする活動が行われています。また、リサイクル可能な繊維を使った製品開発も進んでおり、不要になった服はリサイクルボックスで回収されます。先に紹介したような大手ブランドでは、店舗にリサイクルボックスが設置されていることもありますが、アパレル業界全体のリサイクル率は、他の業界と比較するとまだ低いのが現状です。

 

EUで未使用繊維製品の廃棄禁止へ

ファストファッションなどでは、低価格で大量に生産されることから、未使用のまま廃棄される製品が多く存在します。この問題に対応するため、EUでは未使用の繊維製品の廃棄を禁止する措置が導入され、大企業から中規模企業へと順次適用が進められています。

この動きは、遅かれ早かれ日本にも影響を及ぼすことが予想され、繊維製品の生産量が減少する可能性があります。特に東南アジアの縫製工場では、発注が大幅に減少することが懸念されています。企業は、この変化にどのように対応するかを早急に検討する必要があります。

アパレル業界の動きとしては、東南アジアへの発注を抑え、実際の販売状況を見ながら追加の生産を行うという、新たなサプライチェーンの構築が進む可能性があります。国内の縫製工場にリードタイムの短い追加発注を行うことで、柔軟な生産体制を整えることが求められるでしょう。

また、廃棄ロスが減少することで、一定の原価上昇が容認される可能性があり、加工賃の上昇も期待できると考えられます。

 

アパレル業界が提案する新しい考え方

近年、「サステナブルファッション」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、服の生産から販売、消費に至るまでの一連のプロセスにおいて、環境や社会に配慮した取り組みを行うことを指します。例えば、環境負荷を軽減するためにオーガニックコットンを素材として使用したり、長期的な雇用を基盤とした生産体制で作られた衣類を製作することが含まれます。

また、「エシカルファッション」という、フェアトレードな衣類を選び、倫理的な消費を促す考え方や、「スローファッション」と呼ばれる、1着を長く大切に着続けるスタイルも注目を集めています。これらの新しいファッションの提案は、SDGsの目標達成に向けたアパレル業界の取り組みとして、今後さらに広がっていくことでしょう。

まとめ

このように、SDGsを基盤に、世界は地球環境の改善や人々が安全かつ幸福に生きられる社会を目指し、それぞれの課題に取り組んでいます。アパレル業界においては、環境と労働に関する深刻な問題が近年、世界的な注目を集めています。私たち消費者が低価格の商品を大量に消費することも、こうした問題の一因となっていることが指摘されています。

問題を解決するためには、企業だけに責任を押し付けるのではなく、社会全体が一体となって取り組むことが求められています。特に、新たにアパレルブランドを立ち上げようと考えている方にとっては、SDGsに理解があり、持続可能な方法で対応してくれる工場を選ぶことが重要です。

縫製屋ドットネットでは、ものづくりに携わる皆さまの幸せを守るため、信頼できる工場選びをサポートしております。ぜひ、お気軽にご相談・お問い合わせいただければと思います。

株式会社Yoshioka inc.

当社は天然素材を使用したシンプルなデザインの中で、ディテール・素材・加工方法にこだわったお取引先様が多いです。
着る人の個性を尊重したナチュラル・フェミニン・モードをミックスした、女性の体型を考慮したパターンを追及し、着易さとデザイン性に特化したナチュラルテイストとモードテイストをミックスした縫製を得意としております。

株式会社東京縫製

東京縫製

某有名アパレルハイブランドのお直しを50年一筋でやっている縫製工場です。
高度な技術力で洋服やハイブランドのスーツのお直しはもちろんの事、近年ではウェデングドレスやステージ衣装などのOEMも承っております。
3代目若社長が経営する縫製工場は熟練技術者から若手技術者へ技術の継承ができており、
安心して長くお取引きをする事ができます。
毎日、都内を自社の車で回収や納品で回っておりますので品物量や地域によっては集荷依頼、ご対応可能です。

是非一度、お問い合わせいただき、工場見学にもいらしてください。

服の品質の見分け方

服全般の品質の見分け方はTシャツと同じです

服の品質を見分けるには衿が傾むいているかどうかを見るのが一番です 。縫製するときに下が送り歯、上が押さえなので、下の生地を送り、上の生地を押すように縫うので、その時にミシンが押すのをそのままにしていると片方の衿先が下に巻き込んで、もう片方の衿先が上に跳ね上がります。何もせずに縫うとだいたいこんな傾向になるものなのですが・・・・・・。この動画のようにならないように縫うのが工場の技術です。衿が傾くのは、ミシンの構造上なってしまう現象をそのまま作ってしまうからです。技術が高ければ、そのようなミシンの構造上なってしまうことに逆らって、左右対称の衿に仕上げることができるのです。時には、押さえの抵抗を減らすためにテフロンを貼り付けたり、送り歯の手前にサンドペーパーを貼って、下の生地が送られ過ぎないようにしたりもします。

縫製される衣料品はプレス加工のように上から型抜きするように加工するのとは違い、かならず、右から左、あるいは左から右へと縫製されます。裁断も同様に生地を重ねて、右から左、あるいは左から右へと裁断されます。多くの生地を重ねることで、上と下の裁断ズレも起こります。また、先に述べたように縫製でも、ミシンの構造上、下の生地が送られ、上の生地が押されるので、必ずズレが生じます。このようなズレが大きい程、縫製の技術が低いと考えることができます。服の品質を見分ける際には、その服が左右対称になっているかを確認して、左右のズレが大きい商品の購入は避けるようにしましょう。

左右のズレがあると言う事は、設計とは違う商品になっていると言う事です。設計がどれだけ良くても、設計に忠実に作られていない商品は良い商品とは言えません。

材料品質も設計品質も良かったとしても、製造品質が悪ければ商品は台無しになります。最高級の食材と最高のレシピがあっても料理人が素人であれば、食材の良さを引き出すような料理にはなりません。材料品質が良く、設計も良くても、施工する大工が下手だと家が傾くかも知れません。材料や設計がどけだけ良くても、作り手が悪いと全てを台無しにしてしまうのです。

アクリルの板に溝を彫って、それに沿って縫製することもあります。そういう方法だと表衿と裏衿の合わせ縫いは傾きません。それでも、ステッチが下手だと傾くことがありますが傾きは僅かに抑えることが出来ます。

2本針の補強縫いは本当に補強になっているのか?

Tシャツやトレーナーの2本針補強

Tシャツやトレーナーの衿ぐりや袖ぐりなどに2本針のステッチがしてある商品をよく見かけます。

デザイン的にはゴツゴツっとした感じになり、男っぽいイメージで好きな方も多いでしょう。
デザイン的に好きで、2本針の補強がしてある商品を選ばれることには、全く反対いたしません。

ただ、問題なのは、縫製を知らないショップさんが、2本針で縫ってある商品は強い(強度が高い)と思っていらっしゃる方が結構多いことです。
ホームページなどでもそのことを書いているページを見かけます。

2本針で1工程多く縫ってあるわけですから、強度が増すと思うのは普通の感覚なのですが、2本針でステッチしてある内側の縫い目は2本針オーバーロックではなく1本針オーバーロックで縫ってありますので、2本針オーバーロックに比べるとかなり弱いのです。

そして、2本針の補強ステッチは単なる飾りでしかありません。

2本針オーバーロック      1本針オーバーロック

2本針オーバーロック+1本針本縫いステッチ

表側                     裏側

1本針オーバーロック+2本針補強

表側                     裏側

縫製直後の状態です。洗濯をして行くとどのように変化するか、レポートいたします。

20回洗濯後

2本針オーバーロック+1本針本縫いステッチ

特に縫い目のほつれはみられません。生地自体はくたびれてきますが、縫い目の強度は保っています。

1本針オーバーロック+2本針補強

わずかですが、2本針の縫い目がほつれています。この縫い目の特徴は、最後の1針がほつれると、連鎖的に次々と簡単に縫い目がほどけてしまうことです。

今の状態であれば、強度は維持していますが、人間というのは不思議なもので、このように糸が出てくると、引っ張ってみたくなるものです。

これの引っ張りどころが悪いと、補強の縫い目は全部無くなってしまい、1本針オーバーロックの縫い目だけ残ってしまうと、縫い目の強度は一気に落ちてしまいます。

二本針補強がほつれた状態

二本針は一旦ほつれ出すと連鎖します

二本針補強がほつれた状態(表側)

一旦ほつれ出すと、パラパラと一気に気持ちよくほどけてしまいます。

こうなると、ベースの縫い目が一本針オーバーロックなので、弱い縫い目になってしまいます。

二本針補強の縫い終わりをしっかり、ほつれ止めしてある商品もあります。

ほつれ止めしてあれば、こういう問題はありませんので、Tシャツなどを買う際は確認しましょう。

Tシャツ生地の透け具合

白の背景に豹柄を重ねているので、生地にとっては厳しい条件です。

一般には地肌の上に下着を着用しますので、背景は肌色になりますので、仮に豹柄の下着を着用しても、これほど豹柄の生地が強調された感じにはなりません。

30/1天竺

30は糸の太さ、数字が小さい程太い糸で、1は1本で作った生地と言うことです。サンマルタンテンジクと読みます。

Tシャツにはよく使われている生地です。この程度の生地だと柄まで透けて見えてしまいます。

40/2天竺

40は糸の太さ、数字が小さい程太い糸で、2は2本の糸を撚り合わせて作った生地と言うことです。ヨンマルソーテンジクと読みます。

30/1天竺と実際に手に取ると40/2天竺の方が確実に厚みがあります。

40コーマスムース

40番手のコーマ糸を使った生地です。

40/2天竺よりもさらに厚みがあり、目も詰まっているのでかなり優秀!

吸汗速乾機能素材

吸汗即乾の生地です。

16/2天竺(ヘビー天竺)

16番のかなり太い糸を2本撚り合わせて作った生地です。

ヘビーウエイトの生地です。ただし生地のカラーはキナリです。

Tシャツの衿は洗濯すると伸びてしまう?

トレーナーやTシャツなどの丸首の商品は洗濯すると衿の部分が伸びてしまってだらしなくなってしまうものが多くあります、たいていの人は生地が悪いからだと思っていますが、じつは縫製の問題もたくさんあるのです。
ただし、衿自体に編みこんである細いゴム(ポリウレタン)が劣化して切れたりして伸びるのは避けられません
このページではこんな縫製工場だからわかる、品質や良いTシャツの見分け方などお知らせします。

衿とはどんな物?

Tシャツやトレーナーの衿は、「フライス」を使う場合と「テレコ」を使う場合があります。

フライスはフライス編みと言って、編み方で伸縮性を確保しています。

テレコは生地の中にポリウレタンを少し編み込んであり、このポリウレタンにより伸縮性を確保しています。

衿の生地自体の劣化によって衿が伸びることも多くあります。

例えばポリウレタンの劣化であったり、編み目の移動などです。

縫製の問題でTシャの衿が伸びるのは

トレーナーやTシャツは身頃側の衿ぐりより衿のほうが小さく作られています。 これを縫製するときにどうするかによって、洗濯後に差が出るのです。

悪い縫い方

身頃の衿ぐりより衿の方が小さいのだから小さい方の衿を伸ばして縫う。 この方法だと縫製技術があまり高くない人が縫っても衿を付けることができます。 でも縫い上がった状態では縫い目が波打っています。 これをアイロンでうまくごまかして出荷するのです(アイロンがけはかなり大変)。 このような商品は最初から伸ばして縫っているので、どんなに高級な生地を使っても洗濯すると衿が伸びてしまうのです。

良い縫い方

身頃の衿ぐりより衿の方が小さいので小さい衿を伸ばさず、衿に合わせて身頃側を少しギャザーを入れるような感じでいせ込むように縫う。 この方法は縫う人の高い技術を必要とします。縫い上がった状態では衿がすっきりと付いており身頃側に少しシワがあるように見えます。 この商品は軽く形を整える程度のアイロンがけで出荷します。 このように縫製された商品は生地の品質が悪くてもかなり衿の形を維持します。 また良い生地を使った商品ではほとんど衿が伸びないのです。

いせ込みながら縫う技術がないと良い商品にはならないのです。