日本の縫製工場の魅力とは?

日本の縫製工場の現状

今、日本の縫製工場は縮小や廃業、倒産に追い込まれている工場が多く、今後ますます増加すると見られています。

特に50人以上の大規模な縫製工場というのは、国内にはほとんど残っていない状況です。

その原因としてコロナウイルスの流行を境に世の中の価値観や経済状況が大きく変化し、人々がお金を使わなくなったことも影響しています。

海外の安い縫製工場を製造の拠点としたファストファッションが流行し、安くてもある程度品質の良い洋服が買えるようになったこと。フリマアプリが消費者にとって身近になり、店舗で新品を商品を購入する人が減ったこと等、洋服やファッションアイテムに対し低コストを求めるようになりました。

そのため日本の縫製工場への受注は減少し、当然工場の賃金も下がります。

低賃金であるため若い人が集まらず、従業員が高齢化。そして日本人の新しい人材が確保できないため外国人の技能実習生に頼っている状態となる等、維持していくことが難しくなっているのです。

日本の縫製工場5つの魅力

ただ一方で、多くの低コストを求める人たちとは逆に、より高級志向を高めている人たちもいます。

「量より質に重きを置き、流行に左右されず長く使える物を。」

そこで次に、日本の縫製工場の魅力を紹介してまいります。

縫製技術の高さ

日本の縫製工場の魅力といえば、やはり世界でも群を抜いてレベルの高い縫製技術でしょう。

高齢化したとはいえ、日本の縫製工場にはまだまだ高い技術を持った縫製士の方がたくさんいらっしゃいます。

縫製工場は機械化が進みましたが、品質の高い製品は職人による手仕事での仕上げや調整を行っているため、その細かく丁寧な質の高さが世界でも評価されているのです。

また、数は少なくとも業界に入った若者にその技術を継承し、更に若者ならではの発想で新しい時代に沿ったものづくり、環境づくりといったものに取り組んでおり、より高品質な製品を生産することを可能としています。

きめ細やかな対応

まず、日本の縫製工場ですから当然日本語でコミュニケーションをすることが可能です。

海外の縫製工場に依頼をしたことがある方にとって、これがどれだけ重要なことか痛感されているのではないでしょうか。

細かな指示や変更、要望等も正確に情報を伝えることが出来ることは、良い製品を完成させることにつながります。

製造を進める中で、デザインやカラー、サイズ、プリント、パーツ、生地など様々な変更点が出てくることがありますが、コミュニケーションが上手く取れないとその度に進行がストップし、各方面に負荷がかかってしまいますよね。

他にも、日本の縫製工場では小ロットの生産に対応できる設備や技術を持っている工場が多く、必要に応じてカスタマイズ出来る点も大きなメリットと言えます。

納期の早さ

日本の縫製工場に依頼すると、海外の縫製工場と比べて短い納期で納品することが可能となります。

海外に発注をした場合、縫製が早く完了しても日本までの輸送にどうしても時間がかかってしまいますし、もし納品された製品に不具合や問題が見つかった際、更に時間がかかることになりますしクレームに発展する恐れもあるでしょう。

質の高い製品を早く納品することで、結果的に海外よりも全体のコストが抑えられることもあるのです。

知的財産の保護

日本では特許法、商標法、意匠法など知的財産権に関する法律が整備されています。

そして日本で生産された商品はこれらの法律が適用されます。

自分のブランド、会社のブランドの価値や信頼性、デザイン、技術などを守りたければ、これらの法律を容易に活用できる日本での製造がやはりおすすめです。

地域への貢献

日本の縫製工場は都心部よりも地方に多く存在しています。

地方では仕事が少なく若い人が都心へ流出してしまうといったことが起こっているため、縫製工場が元気になれば新たな雇用を生み出し、地域の活性化にもつながる可能性があります。

まとめ

以上のように、日本の縫製工場を取り巻く現状は厳しい状況ではあるものの、世界に誇る日本の高い技術を求める人たちもいます。

また、自分のブランドを作りたいと服作りに夢を抱く若者もたくさんいます。

そんな縫製工場とアパレル業界を目指す人、会社をつなぐため、縫製屋ドットネットはマッチングサービスを提供しています。

日本から素晴らしい製品を作り出すため、一緒に挑戦しませんか?

相談、問合せは無料です。お気軽にご連絡をお待ちしております。

縫製工場のマッチングサービスのメリット・デメリットは?個人や初心者でも利用できるの?

「多くの縫製工場の中からどの会社を選べば良いのか分からない。」「そもそもどのように依頼をすれば良いの?」「アパレルが初めてで不安。」

アパレルブランドの立ち上げを検討している人や自分がデザインした服を縫ってくれる工場を探している方の中には、縫製工場選びに迷われている方も多いかと思います。

そこでおすすめなのが、縫製工場のマッチングサービスの利用です。

今回の記事では、縫製工場のマッチングのメリット・デメリット、日本のアパレル産業の現状などを中心に解説してまいります。

どうぞ最後までご覧ください。

縫製工場のマッチングサービスを利用するメリットは?

近年、縫製工場とアパレルメーカーをマッチングするサービスが増えています。

自分たちの生産設備を持たないアパレルメーカーと、営業力のない縫製工場に向け、所謂「仲介」を行って双方をつなぐ役割があるわけですが、縫製工場とのマッチングサービスを利用することでどのようなメリットがあるのでしょうか?

アパレル企業と縫製工場、それぞれの視点から見たメリットを以下に紹介していきましょう。

アパレル企業のメリット

縫製工場を探しているアパレル企業にとってまず大きなメリットは、細かな条件に合う工場を自分たちの手や足で探し出し選ぶという手間や時間をかけなくても良いという点でしょう。

また、条件に合った工場を見つけても、自分たちの考えたアイディアを理想の形にするためには縫製工場と信頼関係を作り、しっかりコミュニケーションをとっていかなければなりませんが、特にアパレルの初心者で実績がない場合はどのように依頼し進めていけば良いのか分からず、受け入れてもらえないケースもあります。

そこでマッチングサービスを利用すれば、そのような不安を持たずに依頼をすることが可能です。

更にはお願いする縫製工場が決まって製造が進む中で、進捗やスケジュールに関して工場に直接確認しなくても、マッチングサービス会社に間に入ってもらって情報共有することができる場合があるので、直接のやりとりよりもスムーズに進められるケースも少なくありません。

縫製工場のメリット

縫製工場にとってのメリットとしてまずあげられるのは、職人ばかりで営業を担当できる者がいない、そもそも営業活動が苦手、等といったよくあるケースでも新規の仕事をとることが可能である点。

そしてマッチングサービスに登録することで同じブランドばかりでなくさまざまな商品の生産に携われるチャンスがあるため、技術を磨き仕事の幅を広げられるといったメリットもあります。

縫製工場のマッチングサービスを利用するデメリットは?

それでは次に、縫製工場とアパレル企業を結びつけるマッチングサービスを利用することで考えられるデメリットについてもしっかり紹介していきたいと思います。

メリットとデメリットの両方を意識した上で上手く活用していただければと思います。

仲介手数料が発生する

縫製工場とのマッチングを提供している会社の多くは、利用にあたり仲介手数料を支払う必要が出てきます。縫製工場、アパレル企業、それぞれが規定で決められた料金を支払わなくてはなりません。

自分たちで探す労力や時間と比較して検討することをおすすめしますが、特にアパレル企業側としては多少お金をかけてでも希望にマッチした工場をいち早く見つけ、効率良く商品化を行いビジネスを進めていくためには必要な経費であると考えているようです。

継続受注、専属契約の保証がない

縫製工場としては、条件に合うアパレル企業がないとなかなか仕事を受注できないという点もデメリットとして挙げられます。

その場合はマッチングサービスに登録しつつ、他の集客の手法も並行して行わなければならないでしょう。

他には、継続して発注および生産できるかどうかが分からないという点です。

マッチングサービスでは専属での契約や長期間の継続を保証できるわけではないので、希望がある場合にはマッチングサービス会社へしっかり相談しましょう。

日本のアパレル産業の現状と課題

今やアパレルの縫製の発注は中国など海外にある縫製工場へと流れています。

また、アパレル産業は店頭で販売されるまでの間に多くの業者が入り中抜きされるシステムとなっているため、縫製工場が得られる単価は非常に安い現状にあります。

2023年には円安の影響で海外で生産するメリットは低くなっているものの、そもそも海外の低価格を売りにしたブランドが台頭し、日本のインフルエンサーや動画クリエイターたちが海外メーカーの洋服やファッションアイテムをこぞって紹介している状況です。

日本の縫製工場が生き残るためには、このような世界を相手に簡単ではないさまざまな問題に対処しなければならないのです。

縫製屋ドットネットはアパレル初心者の方でも丁寧にサポートします!

そんな中、縫製屋ドットネットは日本が誇る丁寧な縫製による高品質なものづくりを守るため、国内に工場を持っている縫製工場が集まり、さまざまな素材や生地、サンプルの縫製、小ロットでの製造に対応しています。

オリジナルのブランドを立ち上げたいという方、縫製工場に依頼するために何をすれば良いのか分からないと不安を抱えている方のサポートも行います。

細かな情報はわからなくても、デザインとおおまかな発注数さえ決まっていれば、型紙の作成やデザイン画から洋服を作ることができる工場がございます。必要な提案を適宜させてただきながら丁寧に支援しますのでご安心ください。

もちろん法人だけでなく個人の方も歓迎しています。

相談、お問合せは無料です。ぜひお気軽にご連絡くださいませ。

【アパレルとSDGs】業界が抱える問題と取り組み事例

現在、日本も含め世界ではSDGsに基づいた行動が推奨されています。

その中でもアパレル業界に関しては数年前から現在に至るまで多くの問題が取りざたされており、SDGsへの取り組みに注目を集めています。

そこで今回の記事では、SDGsの概要からアパレル業界が抱える問題点、SDGsへ取り組むべき目標について解説して参ります。

どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。

SDGsとは何か

今や多くの人に浸透しつつあるSDGsですが、基本的な概要について紹介しておきます。

SDGsとは日本語で「持続可能な開発目標」の意味を持ち、2001年に制定されたMDGsと呼ばれるミレニアム開発目標の後を引き継ぐ形で、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すための国際目標として2015年に実施された国連サミットにおいて採択されました。

17のゴールと169のターゲットで構成され、地球上の誰一人取り残さないという誓いの元、発展途上国も先進国も関係なく取り組むものです。

<SDGsの17の目標>

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.全ての人に健康と福祉を

4.質の良い教育をみんなに

5.ジェンダーの平等を実現しよう

6.安全な水とトイレを世界中に

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

10.人や国の不平等をなくそう

11.住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

16.平和と公平をすべてのひとに

17.パートナーシップで目標を達成しよう

アパレル業界が抱える問題

アパレル業界、中でも「ファストファッション」と呼ばれる業態ではSDGsで掲げられている目標のいくつかに関して深刻な問題を抱えています。

ファストファッションとは日本だけでなく海外でも高い人気を誇り、世界に展開しているブランドも少なくありません。主に代表するブランドは以下となります。

<ファストファッションブランド一覧>

ユニクロ(日本)

GU(日本)

しまむら(日本)

無印良品(日本)

H&M(スウェーデン)

ZARA(スペイン)

GAP(アメリカ)

SHEIN(中国)

誰もが知っていて非常に身近、そして多くの人が一着は持っているブランドではないでしょうか?

特に最近、Youtube等のSNSを中心に取り上げられているSHEINは売上が急増し、2022年の時点でトップに並ぶ勢いです。

そんなファストファッションが抱える問題とは、大きく分けて環境への問題、労働への問題の2つでしょう。

環境問題

服 廃棄

アパレル業界とは繊維産業であり、そのほとんどはポリエステルやレーヨンといった合成繊維。つまり私たちが着用している衣料品のほとんどはプラスチック=石油で成り立っています。

既にペットボトルのゴミの分別を行うことは当たり前ですし、スーパーでのレジ袋の有料化やファストフードのプラスチック製のストローが廃止されていることから分かるように、プラスチックは海洋汚染や地球温暖化に大きく影響しており、さまざまな業界で削減や抑制に取り組んでいます。

一見プラスチック製品には見えないため洋服については軽視されがちでしたが、洋服は染料を使って染色する過程で有害な化学物質が水中に放出されたり、家庭で洗濯をするだけでもマイクロファイバーやマイクロプラスチック等、目には見えないプラスチックが海に流出しているのです。

また、化学繊維の製造工程で使用される大量の化学薬品、農薬や有害物質が大気中に放出され、大気汚染の原因にもなっています。

排出されている温室効果ガスの量は12億トンのCO2に相当するのです。

また、ファストファッションは安価で手に入れられる分、簡単に手放されます。近年は断捨離が流行していることもあり、環境省の調査では一年間で一人当たり約12枚の衣服が捨てられているという結果が発表されています。

捨てられた洋服のほとんどはそのまま焼却されたり埋め立てられており、その量は年間で約48万トン。アメリカではなんと1150万トンが捨てられているとのことです。

そして本来はリサイクルや再利用が可能だったものも多く捨てられてしまっているが現状です。

環境問題を引き起こすのは化学繊維だけではありません。天然繊維である綿花(コットン)においても、その生育には大量の水と殺虫剤が使われ、ウールを取るための羊の放牧でも土壌や水質の汚染につながり生物の多様性という意味でも影響を与えてしまっています。

天然繊維ならば大丈夫、という声もよく聞かれますが、実際は環境に良いとは言えないのです。

簡単に買って簡単に捨てる。このような生活、考え方が私たちの地球環境に悪い影響を与えていることを考えなくてはなりません。

労働問題

ファストファッションをお持ちの方は是非、商品のタグを見てみて下さい。そのほとんどがアジアで製造されているはずです。

特にバングラデシュで作られているものが非常に多いことが分かるでしょう。

アジアで製造される理由は、低いコストで大量生産できるというところにあります。

アパレルの製造に携わるアジア人労働者の多くは低賃金で働いています。中には最低賃金や残業代も支払われていないケースも少なくありません。

それにも関わらず長時間労働を強いられ、児童労働、強制労働といった人権侵害も問題視されています。

更には働く工場の安全面や衛生面も劣悪なことが多く、事故が起こり労働災害や健康被害を受けてしまう人たちもいます。

発展途上国の労働者たちを搾取するような労働条件は早急に改善・対処されなければなりません。

このような問題はさまざまなメディアで発信されているものの、それでも先に挙げた通りファストファッションの売上は年々増加しているのです。

アパレル業界のSDGsに対する取り組み

これらの問題を受けて、アパレル業界では既にSDGsについて取り組むブランドも出てきています。

この取り組み内容は「reduce・reuse・recycle」の頭文字をとって「3R」と呼ばれています。以下、事例とともに紹介します。

リデュース:削減

無駄な資源の消費、排出されるごみを減らす取り組みです。

アパレルにおいては、服の購入をする前に似たようなものを持っていないか確認すること、流行ではなく長期的に着用できるものを選ぶこと、正しい手入れの方法を知り大切に着ること、労働環境を改善すること、といった方法を取り組むことで環境への負担を削減していきます。

リユース:再利用

まだ使えるのに廃棄されてしまう服が多いという問題を解決するため、リサイクルショップや古着屋、フリマアプリを活用して再利用を意識することに取り組みます。

また、消費者だけでなく企業としても廃棄物となる予定だった在庫品を必要とする人に仕入れてもらい再循環させるという取り組みが行われています。

リサイクル:再資源化

不要となり手放すのであれば、生地をリサイクルして他の物に作り替えて資源を活用したいもの。

アパレルの業界では、別のデザインの衣料やバッグ、タオル等に作り変えたり、ほかの物をリサイクルして洋服に作り変えたり、リサイクルが可能な繊維を使った商品開発を行い、不要となった際はリサイクルボックスで回収するといった取り組みが行われています。

先に紹介したような大手のブランドでは、店舗にリサイクルボックスを見かけることがありますが、実際は他の業界と比較してまだまだリサイクル率は低いようです。

EUで未使用繊維製品の廃棄禁止へ

ファストファッションなどでは、低価格で大量に生産される分、未使用で廃棄される製品も多くあります。

このような問題から、EUでは、未使用の繊維製品の廃棄を禁止し、大企業から中規模企業へと順次適用されます。

この流れは遅かれ早かれ日本にも影響すると思いますので、繊維製品の生産量が減少する可能性があります。特に東南アジアの縫製工場では、発注が大幅に減る可能性があります。この流れにどのように対処して行くのかは、早めに検討しておく必要があるでしょう。

アパレルの動きとしては、東南アジアの発注を抑えて、実際に販売を開始してからの売れ行きを見た上で追加フォローをリードタイムの短い国内の縫製工場で行う流れになる可能性はあります。

廃棄ロスが減る分、ある程度原価が上がっても問題は無いはずなので、多少の加工賃の上昇も期待出来ると思います。

アパレル業界が提案する新しい考え方

アパレル業界がSDGsの取り組みに向けて提案した「サステナブルファッション」という言葉を最近よく耳にします。

サステナブルファッションとは、服を生産、販売、消費する一連のプロセスにおいて最大限に配慮がなされることを指し、環境負荷軽減のためにオーガニックコットンを素材に使用したり、長期雇用システムで生産された衣類を製作するというものです。

また、フェアトレードな衣類を選択し、倫理的に消費することを指す「エシカルファッション」や、1着を長く着続ける「スローファッション」という考え方も注目を集めています。

まとめ

以上のように、世界がSDGsの考えの元、地球環境の向上や改善、人々が安全に幸せに生きられる社会を目指し、それぞれの課題を解決に取り組んでいます。

その中でアパレル業界では環境や労働に関連した大きな問題を抱えていることが近年世界的に多くの関心を集め始め、低価格な商品を安い賃金で大量生産する仕組みに私たち消費者も大量消費というアクションで応えてしまっていることも問題視されてきました。

問題を解決するためには、企業だけの責任ではなく、社会全体の責任として一人ひとりが積極的に取り組み貢献することが重要です。

今後、新たにアパレルブランドを立ち上げようと考えていらっしゃる場合は、SDGsへの理解があり丁寧に対応をしてくれる工場を選ぶことも大切です。

縫製屋ドットネットでは、ものづくりの関わる皆さんの幸せを守るため、そんな工場選びのサポートをしております。

是非お気軽にご相談、お問合せいただければと思います。

株式会社Yoshioka inc.

当社は天然素材を使用したシンプルなデザインの中で、ディテール・素材・加工方法にこだわったお取引先様が多いです。
着る人の個性を尊重したナチュラル・フェミニン・モードをミックスした、女性の体型を考慮したパターンを追及し、着易さとデザイン性に特化したナチュラルテイストとモードテイストをミックスした縫製を得意としております。

株式会社東京縫製

東京縫製

某有名アパレルハイブランドのお直しを50年一筋でやっている縫製工場です。
高度な技術力で洋服やハイブランドのスーツのお直しはもちろんの事、近年ではウェデングドレスやステージ衣装などのOEMも承っております。
3代目若社長が経営する縫製工場は熟練技術者から若手技術者へ技術の継承ができており、
安心して長くお取引きをする事ができます。
毎日、都内を自社の車で回収や納品で回っておりますので品物量や地域によっては集荷依頼、ご対応可能です。

是非一度、お問い合わせいただき、工場見学にもいらしてください。

服の品質の見分け方

服全般の品質の見分け方はTシャツと同じです

服の品質を見分けるには衿が傾むいているかどうかを見るのが一番です 。縫製するときに下が送り歯、上が押さえなので、下の生地を送り、上の生地を押すように縫うので、その時にミシンが押すのをそのままにしていると片方の衿先が下に巻き込んで、もう片方の衿先が上に跳ね上がります。何もせずに縫うとだいたいこんな傾向になるものなのですが・・・・・・。この動画のようにならないように縫うのが工場の技術です。衿が傾くのは、ミシンの構造上なってしまう現象をそのまま作ってしまうからです。技術が高ければ、そのようなミシンの構造上なってしまうことに逆らって、左右対称の衿に仕上げることができるのです。時には、押さえの抵抗を減らすためにテフロンを貼り付けたり、送り歯の手前にサンドペーパーを貼って、下の生地が送られ過ぎないようにしたりもします。

縫製される衣料品はプレス加工のように上から型抜きするように加工するのとは違い、かならず、右から左、あるいは左から右へと縫製されます。裁断も同様に生地を重ねて、右から左、あるいは左から右へと裁断されます。多くの生地を重ねることで、上と下の裁断ズレも起こります。また、先に述べたように縫製でも、ミシンの構造上、下の生地が送られ、上の生地が押されるので、必ずズレが生じます。このようなズレが大きい程、縫製の技術が低いと考えることができます。服の品質を見分ける際には、その服が左右対称になっているかを確認して、左右のズレが大きい商品の購入は避けるようにしましょう。

左右のズレがあると言う事は、設計とは違う商品になっていると言う事です。設計がどれだけ良くても、設計に忠実に作られていない商品は良い商品とは言えません。

材料品質も設計品質も良かったとしても、製造品質が悪ければ商品は台無しになります。最高級の食材と最高のレシピがあっても料理人が素人であれば、食材の良さを引き出すような料理にはなりません。材料品質が良く、設計も良くても、施工する大工が下手だと家が傾くかも知れません。材料や設計がどけだけ良くても、作り手が悪いと全てを台無しにしてしまうのです。

アクリルの板に溝を彫って、それに沿って縫製することもあります。そういう方法だと表衿と裏衿の合わせ縫いは傾きません。それでも、ステッチが下手だと傾くことがありますが傾きは僅かに抑えることが出来ます。

2本針の補強縫いは本当に補強になっているのか?

Tシャツやトレーナーの2本針補強

Tシャツやトレーナーの衿ぐりや袖ぐりなどに2本針のステッチがしてある商品をよく見かけます。

デザイン的にはゴツゴツっとした感じになり、男っぽいイメージで好きな方も多いでしょう。
デザイン的に好きで、2本針の補強がしてある商品を選ばれることには、全く反対いたしません。

ただ、問題なのは、縫製を知らないショップさんが、2本針で縫ってある商品は強い(強度が高い)と思っていらっしゃる方が結構多いことです。
ホームページなどでもそのことを書いているページを見かけます。

2本針で1工程多く縫ってあるわけですから、強度が増すと思うのは普通の感覚なのですが、2本針でステッチしてある内側の縫い目は2本針オーバーロックではなく1本針オーバーロックで縫ってありますので、2本針オーバーロックに比べるとかなり弱いのです。

そして、2本針の補強ステッチは単なる飾りでしかありません。

2本針オーバーロック      1本針オーバーロック

2本針オーバーロック+1本針本縫いステッチ

表側                     裏側

1本針オーバーロック+2本針補強

表側                     裏側

縫製直後の状態です。洗濯をして行くとどのように変化するか、レポートいたします。

20回洗濯後

2本針オーバーロック+1本針本縫いステッチ

特に縫い目のほつれはみられません。生地自体はくたびれてきますが、縫い目の強度は保っています。

1本針オーバーロック+2本針補強

わずかですが、2本針の縫い目がほつれています。この縫い目の特徴は、最後の1針がほつれると、連鎖的に次々と簡単に縫い目がほどけてしまうことです。

今の状態であれば、強度は維持していますが、人間というのは不思議なもので、このように糸が出てくると、引っ張ってみたくなるものです。

これの引っ張りどころが悪いと、補強の縫い目は全部無くなってしまい、1本針オーバーロックの縫い目だけ残ってしまうと、縫い目の強度は一気に落ちてしまいます。

二本針補強がほつれた状態

二本針は一旦ほつれ出すと連鎖します

二本針補強がほつれた状態(表側)

一旦ほつれ出すと、パラパラと一気に気持ちよくほどけてしまいます。

こうなると、ベースの縫い目が一本針オーバーロックなので、弱い縫い目になってしまいます。

二本針補強の縫い終わりをしっかり、ほつれ止めしてある商品もあります。

ほつれ止めしてあれば、こういう問題はありませんので、Tシャツなどを買う際は確認しましょう。

Tシャツ生地の透け具合

白の背景に豹柄を重ねているので、生地にとっては厳しい条件です。

一般には地肌の上に下着を着用しますので、背景は肌色になりますので、仮に豹柄の下着を着用しても、これほど豹柄の生地が強調された感じにはなりません。

30/1天竺

30は糸の太さ、数字が小さい程太い糸で、1は1本で作った生地と言うことです。サンマルタンテンジクと読みます。

Tシャツにはよく使われている生地です。この程度の生地だと柄まで透けて見えてしまいます。

40/2天竺

40は糸の太さ、数字が小さい程太い糸で、2は2本の糸を撚り合わせて作った生地と言うことです。ヨンマルソーテンジクと読みます。

30/1天竺と実際に手に取ると40/2天竺の方が確実に厚みがあります。

40コーマスムース

40番手のコーマ糸を使った生地です。

40/2天竺よりもさらに厚みがあり、目も詰まっているのでかなり優秀!

吸汗速乾機能素材

吸汗即乾の生地です。

16/2天竺(ヘビー天竺)

16番のかなり太い糸を2本撚り合わせて作った生地です。

ヘビーウエイトの生地です。ただし生地のカラーはキナリです。

Tシャツの衿は洗濯すると伸びてしまう?

トレーナーやTシャツなどの丸首の商品は洗濯すると衿の部分が伸びてしまってだらしなくなってしまうものが多くあります、たいていの人は生地が悪いからだと思っていますが、じつは縫製の問題もたくさんあるのです。
ただし、衿自体に編みこんである細いゴム(ポリウレタン)が劣化して切れたりして伸びるのは避けられません
このページではこんな縫製工場だからわかる、品質や良いTシャツの見分け方などお知らせします。

衿とはどんな物?

Tシャツやトレーナーの衿は、「フライス」を使う場合と「テレコ」を使う場合があります。

フライスはフライス編みと言って、編み方で伸縮性を確保しています。

テレコは生地の中にポリウレタンを少し編み込んであり、このポリウレタンにより伸縮性を確保しています。

衿の生地自体の劣化によって衿が伸びることも多くあります。

例えばポリウレタンの劣化であったり、編み目の移動などです。

縫製の問題でTシャの衿が伸びるのは

トレーナーやTシャツは身頃側の衿ぐりより衿のほうが小さく作られています。 これを縫製するときにどうするかによって、洗濯後に差が出るのです。

悪い縫い方

身頃の衿ぐりより衿の方が小さいのだから小さい方の衿を伸ばして縫う。 この方法だと縫製技術があまり高くない人が縫っても衿を付けることができます。 でも縫い上がった状態では縫い目が波打っています。 これをアイロンでうまくごまかして出荷するのです(アイロンがけはかなり大変)。 このような商品は最初から伸ばして縫っているので、どんなに高級な生地を使っても洗濯すると衿が伸びてしまうのです。

良い縫い方

身頃の衿ぐりより衿の方が小さいので小さい衿を伸ばさず、衿に合わせて身頃側を少しギャザーを入れるような感じでいせ込むように縫う。 この方法は縫う人の高い技術を必要とします。縫い上がった状態では衿がすっきりと付いており身頃側に少しシワがあるように見えます。 この商品は軽く形を整える程度のアイロンがけで出荷します。 このように縫製された商品は生地の品質が悪くてもかなり衿の形を維持します。 また良い生地を使った商品ではほとんど衿が伸びないのです。

いせ込みながら縫う技術がないと良い商品にはならないのです。

Tシャツの衿(襟)の生地による洗濯後の伸びの違い

フライス編みのTシャツの衿(襟)の場合

目が詰まっていて、柔らかい風合いの衿なら大丈夫

Tシャツの衿の生地自体に高い部分と低い部分があります。この間隔が詰まっているものを、まず選びましょう。編み目が詰まっているものが良い衿です。

その衿を手で触ってみて、柔らかい衿でしたら十分伸びるし、洗濯しても長期間型崩れしないTシャツの衿です。

触ってみて硬い感じの衿の場合も型崩れはしにくいですが、着脱の際に頭が通りにくいなどの問題があるかもしれません。

目が多少開いていても柔らかい衿ならまだ良いと思います

最初の画像よりも編み目が少し開いているのが分かりますか?Tシャツの衿の生地自体の高い部分と低い部分の間隔が詰まっているものがベストですが、この間隔が多少開いていても、生地自体が柔らかいものでしたら、伸縮性はあるので、ベターな選択になると思います。

目が開いて、しかも硬い風合いのものは避ける方が無難です

この画像は編み目がかなり開いてしまっています。Tシャツの衿の生地自体の高い部分と低い部分が開いてしまっていて、手で触った感じが硬い衿は衿自体が伸び切ってしまっている可能性があります。

また、目が詰まっていない衿は編み目自体が緩いため動き易く、変形も起こり易いと考えられます。