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急激に進むEC化、縫製工場も例外では無い

デバイス別の保有率は2019年の時点でスマートフォンが83.4%。現在はさらに保有率が上がっているものと思われます。

スマートフォンの保有率が急激に増加している一方、企業のEC化率は13.87%ととても低い状況です。
スマートフォンの保有者が日々購買する商品を全て、インターネット経由で購入すれば、企業のEC化率は83.4%になります。スマートフォンのユーザーが購入する商品全てをインターネット経由で購入するとは考えられませんが、今後、インターネットで購入出来る商品が拡大したり、新たなサービスが提供されたり、インターネットの利便性を感じたユーザーのネット利用がさらに加速する可能性があり、EC化率は50%程度まで上昇する可能性があります。
13.878%から50%への伸びしろが企業にとっては宝の山と考えられます。
新型コロナで接触を伴うビジネスが大きく業績を落とし、アフターコロナでも非接触が大きなテーマとなるのは確実です。
百貨店などの既存ビジネスの凋落

百貨店の売上高は長期低落傾向で、そこへ新型コロナの影響で大きなダメージを受けました。
ECが大きく伸びている一方で、古いビジネスモデルである百貨店の経営がどんどん悪化して、今後回復することは見込めず、ユーザーが商品を購入する場はインターネットに大きく移りつつあります。
インターネットの普及により、誰でも直接ユーザーに商品を売れるようになりました。メルカリやヤフオクなどの個人売買が当たり前になり、衣料品店のバーゲンの売れ残りもメルカリで売られるようにもなっています。
インターネット広告がテレビの広告を上回った

キー局で15秒CMを1回流すのに、40万~80万。テレビCMの制作料は「有名タレントや俳優を起用して海外でロケを行い、特殊CGを多用する」といった数億円規模。テレビの広告は大企業じゃないと出せないが、インターネット広告は誰でも出せる。インターネット広告はキーワードによって単価は違いますが、1クリックは約150円。
大手アパレルはEC化が遅れ、既存店売上げが落ちて軒並み赤字決算
大手アパレルはかなり前からEC化を進めています。ECの伸び率はとても大きいのですが、それを上回る既存店の落ち込みで、軒並み赤字決算になっています。
大手アパレルが赤字決算を続けていれば、確実に売り切れるような発注のコントロールやより原価を抑えるために、より安く生産できる海外拠点へと移って行きます。
そうなると、国内縫製工場の受注はさらに減少して行くと考えられます。
作れることは縫製工場の大きな強み
縫製工場は商品を作れることが大きな強みです。縫製工場で生産される商品は、そのまま店頭に並ぶ商品なので、商品を作れることはとても大きな強みです。
自社で商品企画を行って、ファクトリーブランドとしてインターネットで販売しましょう。
インターネットで作り手にしか出せない情報もホームページに記載して、商品を販売しましょう。
他社が掲載していない情報をホームページに記載すると、そのキーワードを検索しているユーザーがホームページを訪れてくれるようになります。
ホームページのtitleやh1タグに検索エンジンにヒットさせたいキーワードを記載して、詳しい情報を掲載することによって、狙っているキーワードでヒットするホームページになります。
縫製工場はEC化に乗り遅れると、座して死を待つしか無くなります。積極的にEC化して、工場の稼働を自社商品である程度賄えるようにすることとは急務です。
① 取引先依存からの脱却と安定した収益基盤の確保
多くの縫製工場は、アパレルメーカーや商社からの下請け依存で、価格決定力が弱い状態にあります。
しかし EC化して自社ブランドやOEM受付をオンライン化すると――
- 顧客が全国・世界へ広がる
- 価格交渉力が高まり、利益率向上
- 営業担当の人的負担を軽減しつつ、24時間問い合わせ可能に
② 小ロット・短納期ニーズの増大
アパレル市場では以下が急速に増加しています:
- 小ロット生産(10~50着など)
- サステナブル生産体制
- D2Cブランド、インフルエンサー商品
- オーダーメイド・カスタム品
ECで
- 小ロット対応ページ
- 見積りフォーム
- 料金シミュレーション
を用意することで、従来の大手依存では取れなかった新規市場を獲得できる。
③ BtoBのオンライン化が急速に標準化
建設業から印刷業まで、多くの産業が オンライン受発注を前提にした比較検討サイト を利用する時代になっています。
縫製業界だけがFAXと電話中心だと、発注者に選ばれにくくなる可能性が大きいです。
EC化でできること
- 型紙データ・仕様書のオンライン共有
- 納期・料金の問い合わせ自動化
- サンプル発注フローの明確化
④ 人材不足対策・採用ブランディング
縫製業界は高齢化が進んでおり、若手採用が難しいと言われています。
EC化による効果
- 企業認知度向上(若者に見つけてもらいやすい)
- 技術や職人の魅力発信(動画公開)
- 働きたい企業 としてのブランド化が可能
⑤ 海外生産から国内回帰の追い風
円安・輸送リスク・在庫リスクの増大により、多くの企業が国内生産回帰へシフトしています。
この需要をつかむためにも「見つけてもらう仕組み」が必要。
受注の入り口をECで作ることが、最大の武器になる。
⑥ 既存のノウハウ資産化
オンライン化することで、
| オフライン | EC化での改善 |
|---|---|
| 同じ説明を毎回する | FAQ化・動画化で省力化 |
| 属人的な営業 | データによる標準化 |
| 口コミ頼み | SEO+SNS+広告で新規を獲得 |
業務効率改善 + 生産性向上にも寄与します。
まとめ
| なぜEC化するべきか | 期待される効果 |
|---|---|
| 下請け依存から脱却 | 利益率改善、安定経営 |
| 小ロット市場の拡大 | D2C市場の取り込み |
| オンライン時代の必須戦略 | 発注ハードルを下げる |
| 人材採用効果 | 若手から選ばれる工場へ |
| 国内回帰の追い風 | 受注チャンスの最大化 |
| 効率化 | 問合せ対応の自動化 |