コロナ禍で注目されたアベノマスク

新型コロナで各世帯に配布されたマスクも中国製

新型コロナの感染拡大で、各世帯に2枚ずつ配布されて批判もあったアベノマスクですが、世帯数が5340万3千世帯なので、生産量は1億6千万枚程度です。マスクの縫製にかかる時間はかなり短いと思うので、国内の縫製工場でも十分生産が可能だったと思いますが、実際には中国やベトナムなどの海外製。しかも初期に配布された妊婦さん向けのマスクで異物混入などの不良品が発生して、検査したところ不良率は約30%と言う異常な状態。普通、縫製品の市場に出回る商品の不良率は0.0〇%程度のはずで、30%は有り得ない数値です。

新型コロナで困っている足元を見られたとしか言えないような杜撰な品質管理。しかも発注価格は通常の7倍とも言われています。

海外に依存するサプライチェーンも問題に

日本の製造業や部品調達を中国などの海外に依存するサプライチェーンの体質も大きな問題になって、多くの企業で工場の操業が停止したり、店頭での品薄の現象が起こりました。

今回の問題で、サプライチェーンの見直しやリスクヘッジが行われると思いますが、縫製工場は、国内には戻って来ません。

縫製工場は、加工の技術力を明確な数値で示すことが出来ず、海外の工場との品質の優位性を数値で表すことがなかなか出来ないのです。

例えば、金属加工であれば1/1000mmの加工精度とか数値で差別化出来ますが、縫製品の場合は、見た目のシルエットや品位など見る人の主観による評価しか出来ず、明確な数値で差別化することが出来ないので、日本国内の縫製工場が海外の縫製工場に比べて絶対に優位に立てるのは、短納期しかありません。

短納期しか優位に立てる要因が無いと、シーズン商品の計画生産は海外で行って、人気商品で爆発的なヒットになった商品の追加フォローのみ国内の縫製工場で行うことになります。

追加フォローで生産するのはせいぜい全体の10%程度なのではないかと思います。

国内の縫製工場が生産するのは、超高級品と追加フォローの商品のみとなれば、そんなに多くの縫製工場は必要なく、実際に国内の縫製工場は減り続けています。

サプライチェーンの見直しの動きが起こっても国内には縫製の仕事は戻って来ず、国内の縫製工場も今後も減り続ける流れは変わりません。

アベノマスクが象徴した「マスク不足」という社会問題

アベノマスクが大きな話題になった背景には、当時の深刻なマスク不足があります。

2020年初頭、新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中でマスク需要が急増し、日本でも店頭からマスクが消える状況が続きました。政府はこの状況に対応するため、すべての世帯に布マスク2枚を配布する政策を打ち出しました。

この政策は「アベノマスク」と呼ばれ、2020年4月から全国の世帯に配布されることになります。布マスクの配布は、マスク不足の不安を和らげるとともに、国民が最低限の感染対策を取れるようにすることが目的とされていました。

しかし、配布のタイミングや品質の問題などから議論も多く、結果として社会的に大きな注目を集める政策となりました。

コロナ禍で改めて注目された国内の縫製技術

コロナ禍ではマスクの供給不足を補うため、国内の縫製工場やアパレル企業がマスク生産に参入するケースが増えました。

本来、衣料品を製造している縫製工場にとって、マスクは比較的生産しやすいアイテムです。
そのため、アパレルブランドや縫製工場が

  • 布マスクの製造
  • 手作りマスクの販売
  • 地域向けマスク供給

といった形で社会的な役割を果たす事例も多く見られました。

このような動きは、日本の縫製産業が持つ柔軟な生産体制や技術力を改めて示す出来事でもありました。

アベノマスクが示したサプライチェーンの課題

アベノマスクの議論は、日本のアパレル産業や衛生用品の供給体制についても考えるきっかけとなりました。

日本では衣料品の多くが海外で生産されており、国内生産の割合は非常に低くなっています。
そのため、世界的な需要の急増や輸出規制などが起きると、国内で必要な製品が不足するリスクがあります。

コロナ禍では、マスクや医療用品の不足が各国で問題となり、国内で一定の生産能力を維持する重要性が改めて認識されました。

アパレルブランドにとっての教訓

アベノマスクの騒動は、アパレル業界にとっても多くの示唆を与えました。

例えば、

  • サプライチェーンの分散
  • 国内生産の価値
  • 小ロットで柔軟に生産できる体制

などの重要性です。

特に、小規模ブランドや新しいアパレルブランドにとっては、小ロットで迅速に生産できる国内縫製工場の存在が大きな強みになります。

コロナ禍の経験は、単に一時的な社会現象ではなく、アパレル産業の生産体制を見直すきっかけになったと言えるでしょう。

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