日本の縫製工場は小ロットが当たり前

アパレルブランドの発注ロットが小さいことはあまり悲観する必要はありません

日本の縫製工場は、バブル崩壊後に急速な生産拠点の海外移転に伴って、大ロットの初回発注のほとんどは中国などの海外に移って、日本国内の縫製工場は、小ロット生産が当たり前になってしまいました。

アパレルさんの初回発注が予想外に売れたりした時の追加フォローとか、新規ブランドで、どれだけ売れるか分からない商品や、まだメジャーにならないブランドで、海外に発注出来ないような小ロットの生産に使われることが多くなりました。

しかも、追加フォローの小ロットだから特別に工賃が高い訳ではありません。「追加フォローで小ロット生産したから、店頭の販売価格も高くすることは出来ない」と言うのが言い分です。

追加フォローのコストがかかることも含めて原価設定しているんじゃ無いのか?とも思いますが、力関係は圧倒的にアパレル企業が強いので、縫製工場の言い分はなかなか通りません。

縫製工場の立場としては、最も美味しい部分は、中国などの海外の縫製工場に取られ、残り物だけを日本の縫製工場で加工しているようなものです。

これが現状なので、アパレルブランドの立ち上げに際して、発注が小ロットであることはあまり悲観する必要はありません。

日本の縫製工場として生き残って行ける加工賃をいただければ良いのです。

一番問題になるのは、不明確な部分が多いこと

小ロットのアパレルブランドを立ち上げるのに、日本の縫製工場を使うのは、当然のことです。日本語でやり取りできることや、万一不良品があっても、日本国内なら、商品の返品や修正後の再納品などもそんなに心配はありません。

ただ、縫製工場の立場からすると、アパレル企業からの発注は、細部の仕様まで、決まっていて、それが仕様書や規格書になって書面を見ればどんな商品を作れば良いのか分かるので、どんな商品を作るのかについてのやり取りは、そんなに多くありません。

しかし、初めてブランドを立ち上げる場合は、細かな仕様などを決めることも難しいと思います。

その場合は、仕上がり寸法をどうしたいのか、縫製仕様をどうしたいのか、例えば、襟の部分の縫い方は、この商品と同じにとか、サンプルを付けていただけると、不必要なやり取りは減ると思います。

そして、もう一つ重要なことは、縫製工場に依頼する時点でどんな商品を作るのか決定していることです。縫製工場に依頼してから、やっぱりこの部分はこうしたいとか、途中で気が変わるようなことがあると、当初決定した価格では生産出来なくなってしまいます。

打ち合わせが始まってから、心変わりするようなことが無いように、商品のイメージを明確に決めてから、発注いただくのが良いかと思います。

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