日本の縫製工場は末期的状況

縫製工場はどこにでもある

縫製工場と言うのは、川上から川下までの一連の流れの中で最も弱い業態です。大手のスーパーなどユーザーに近い業態が最も強く、価格決定権があります。そのユーザーに近い業態から発注を受けてメーカーは原価を決めて、縫製工場に発注します。この時に利益を決定付けるのが工賃ですが、アパレル商品はバーゲンが前提で価格設定されているので、原価から算出される工賃の比率はとても低く、縫製工場が利益を生み出すのは至難の業です。

しかし、中国やベトナムなどに大規模な縫製工場があり、賃金も安いので、日本国内の縫製工場に発注するよりも安い原価で作ることが可能です。

さらに、日本からの技術指導や技能実習生として受け入れた人たちが本国に元どって技術が伝承されて、どんどん品質が向上しています。

なので、日本の縫製工場に発注するプライオリティはどんどん低くなっています。

その上、日本の縫製工場の労働環境はとても悪く、長時間労働、低賃金、年間休日も少ないなど、若い人たちが就職してもすぐに辞めてしまうので、高齢化が深刻です。

技術を数値化して差別化出来ない

縫製工場のもう一つの問題は、持っている技術を明確な数値として、他の縫製工場と差別化出来ない点です。

金属加工のような〇μの加工精度とか、他の工場では加工出来ない素材を加工出来る技術を持っているとか、明らかに差別化できる要素を交渉材料に出来ないので、中国やベトナムの縫製工場に発注するのと何が違うのかを明確に打ち出せないことです。

海外より優位なのは短納期のみ

中国やベトナムの縫製工場より優位に立てるのは、運搬にかかるリードタイムが短いことだけです。

リードタイムを差別化要因にすると、シーズンの初回発注は海外の大規模な縫製工場に発注して、販売を開始して見て、予想を上回るヒット商品になった場合の追加フォローで短納期の小ロット生産で生き残るしかありません。

そうなると、日本の縫製工場に発注される量は、アパレル商品の数%程度になるのではないかと思います。

現実に、日本国内の縫製工場はどんどん減少しており、「2018年の衣類(布帛外衣+布帛下着+ニット外衣+ニット下着)の生産と輸出入の推移」では、97.7%が輸入品です。つまり国内生産は2.3%で、日本国内の縫製工場は絶滅寸前と言っても過言ではありません。

国内の縫製工場はさらに高齢化が進み、若い経営者もいなくなり、絶滅に向かうのは避けて通れないのでは無いかとさえ思います。

ファクトリーブランドを作るしか無い

アパレルからの発注が今後改善されることは望めず、さらに海外依存が高まるのは避けられず、もう国内の縫製工場が生き残る余地はほとんど無くなっています。

生き残る方法として可能性があるのは、ファクトリーブラントを作って、自ら価格を決定して売ることです。

以前は、大手百貨店などが販売チャネルとして大きな存在でしたが、現在はインターネット通販に移っています。大手百貨店に売り場を確保することは、小さな縫製工場にはとても出来ることではありませんでしたが、インターネット通販は誰でも出来ます。

商品を作る能力はあるので、資材調達とデザインさえ出来れば、ファクトリーブランドを作ることが出来ます。

全体の生産量の10%でもファクトリーブランドで賄えるようになれば、将来の光が見えて来ると思います。

大手アパレルの追加フォローをしながら、ファクトリーブランドで利益の出る商材を持つことです。

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