日本の縫製工場の現状

利益の出ない安い工賃

日本の縫製工場は利益云々の話しの前に、最低賃金が支払えるかどうかの状況です。アバレル企業から提示される工賃は、利益を生み出すどころか減価償却さえもできないような厳しい工賃で、長期的に安定した経営を続けて行くことは困難です。

現状を辛うじて維持するので精一杯で、将来へ向けての積極的な投資や人材育成などは全く出来ない工賃しか支払われていません。

様々な改善の取り組みを行って生産しても利益はほとんど出ません。

利益

厳しい労働環境は若い労働者が定着しない

安い賃金の上に、長時間労働や休日の少ない労働環境で、しかも工場ゆえに8時間働きっ放しで、自動化された設備などはほとんど無く、機械が加工している時間を待つようなことも無く、常に体を動かし続けなければいけない厳しい労働環境なので、若い労働者の確保は出来ませんし、もしも若い労働者が確保出来ても、しばらく務めると、その厳しさから退職して行きます。

将来性の無さから後継者もいない

上記のような経営環境から若い経営者が縫製工場の経営をすることは無く、後継者のいない縫製工場がほとんどです。

若い経営者ならITやロボットやAI関係など将来性のある事業を手掛けようとするので、製造業としても最も古い業態である縫製工場の経営など考える人はいないのです。

日本の縫製工場は、経営環境が厳しく、倒産するか後継者がいないので廃業する工場がほとんどで新規に創業する縫製工場など有り得ません。

将来性

賃金を安く抑えるために技能実習生を受け入れ

アパレルから提示される安い工賃に対応するのと、若い労働者が確保出来ないことを解消するために東南アジアから技能実習生を受け入れ、経営を成り立たせています。

彼女たちはお金を稼ぐために時間外労働もいとわずとても良く働きます。しかし、この技能実習生が日本の縫製工場をさらに窮地に追い込むことになっています。

技能実習生によって技能移転が進んで海外の縫製工場の品質が向上しています

昔は、中国製の縫製品の品質はとても悪かったのですが、日本で技能実習生として、日本の縫製の品質に対応した技術を習得して人たちが母国に帰って、自国の縫製工場で働くようになって、海外の縫製工場の品質は飛躍的に改善しています。

労働集約型の縫製工場の経営を左右するのは人件費なので、人件費が安い東南アジアの縫製工場の品質が改善すれば、差別化できるのは物理的な距離や通関手続きなどでかかる発注から納品までの日数しかありません。つまり日本の縫製工場が海外と戦って勝てるのは、短納期だけなのです。

短納期を要求される商品は、芸能人が着ていたとか特殊な事情で、一時的に爆発的に商品が売れて、在庫が底を突いて、追加発注を超短納期で作るようなオーダーしかありません。

このように、日本の縫製工場が必要とされることはほとんど無く、ほぼ全てのオーダーは東南アジアの工場に発注される状態で、日本の縫製工場はほとんど必要とされないような状態になっています。

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